学校生活の様子・ブログ
第2回 壬生藩校学習館祭り
11月12日(日)城址公園ホールにて、2021年に開催された全国藩校サミットの記念大会として「壬生藩校学習館まつり」が行われました。本校から、論語大朗誦に2名・作文発表1名「君子は人の美を成して」・プレゼンコンクール2名「国語『古今和歌集より』・数学『平方根より』」とそれぞれに堂々と素晴らしい発表を魅せてくれました。
藩校とは現在の学校の前進であり、壬生小の前進となる「学習館」という藩校にて、論語を諳んじていたことから、壬生町では小学校教育課程にて論語18章句を諳んじることを目標にしています。中学生になると教科書にも、漢文として「論語」が掲載され、その意味を学習することになります。作文発表の中には「私たちの生活に必要なことを教えてくれるもの」「日常生活の中で大切にすること」「人生の教訓」と口々に発表していました。論語は日本人の道徳観につながるものですね。本校代表者は次のように語りかけました。「君子は人の美を成して」(←お子様のアカウントでご覧になれます)「短所と長所をつながりのないものと捉えるのではなく、見方を変えて長所ととして捉えることで、他人を羨むことや妬むことが減り、・・・ネガティブでマイナス思考だった自分が変化し、自信にもつながりました。・・・現代の様々な情報が交錯する中で、あえて孔子が教え導いてくださった論語に触れることで本来の姿や考えに戻る、悩みや不安を考え直し、新たな自分に出会えると思います。」と。
開会式では、教育長より「渋沢栄一は『論語と算盤』で素晴らしい改革をしてきました。今、壬生町は『論語とICT』で夢と志をもって、変化の激しい社会を逞しく生き抜く力が養われています。」とお話をいただきました。
町長より「逞しく成長した子どもたちが、郷土壬生町ならぬ日本を牽引するような人材になって、多くの人が活躍してほしいと思います」と熱い想いをいただきました。
プレゼンコンテストでは、本校代表者3年生の2名が、普段の授業内で行ってきた探究学習をベースに、テンポの良いキレのある発表で、難しい「古今和歌集」と「白銀比」を、とても親近感のあるものとして紹介してくれました。
「むすぶ手の しづくに濁る 山の井の あかでも人に わかれぬるかな」
この和歌は、紀貫之が旅の途中で出会った女性ともっと話がしたかったと詠んだ歌であること。自分で調べたからこそ、詠み手の人物像や背景を理解し、体験を自分がしたかのような感覚が生まれたとまとめていました。
白銀比(1:√2)は何度折っても縦と横の比率が変わりません。そこからの探究により、白銀比が日本最古の建造物である法隆寺や現代の日本を象徴する建造物であるスカイツリーに使われていること、黄金比のキャラクターと比べることで日本人が愛らしいと思う比率であることへ発展させていました。
渋沢栄一の「論語と算盤」ならぬ、南犬飼中の「国語と数学」(←お子様のアカウントでご覧になれます)での発表でした。
学校の普段の教育活動から、このような発表の機会をいただけましたこと、壬生町ロータリークラブ並びに壬生町教育委員会の皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。
避難訓練
11月13日(月)、今年度2回目の避難訓練が行われました。
今回は通常の避難訓練に加えて、「消火器・消火栓の使い方」と「垂直式避難袋の使用方法」を理解することを目的に実施しました。
事前に動画を視聴し、使い方を学びました。
火事が起きてしまった際は、まず消火器や消火栓を使って初期消火を行い、すぐに避難を始めます。たとえ火がまわってしまい、3階に取り残されたとしても、垂直式避難袋の使い方を知っていれば、逃げることは可能です。この動画を見た生徒は、「3階に黄色いものがあったのは知っていたが、こんな風に使う物だったとは知らなかった。」「垂直って怖そう…。」など様々な反応がありました。垂直式避難袋の中はらせん状になっているので安全に降りることが可能です。
そこで、本日の避難訓練では生徒の代表が実際に垂直式避難袋を使って3階から降りる体験をしました。
体験した生徒は「最初は怖かったけれど、中に入ってしまえば全然怖くなかったです。」と話していました。知識として使い方を知っていることで救える命があります。もしもの時がいつやってくるか分からないということを肝に銘じ、日頃から防災意識を高めてほしいと思います。
数学「星形五角形の内角の和は?」
2年生数学では、学習した内容を活用して課題に挑戦する授業が展開されていました。「星形五角形の内角の和はいくつになると思う?」という問いかけに、「180°」「360°」「540°」と予想していました。とりあえず、分度器で図って確認する子、紙を切ってくっつける子、図の中にたくさん線を引いてみる子、様々な視点で思考が進んでいました。「真ん中が正五角形ではなくて、どんな星形でもだよ~」と言われて、困ってしまう子もいました。すると・・・チャットに自分のプリントをアップして「助けて~」って。そんな使い方もあるのかと、感心しました。
考えがまとまったらチャットにアップして、みんなで共有します。友だちの画像を見て「なるほど~」「賢すぎ!」とつぶやきながら、自分のプリントに理解したことを書き留めていました。
平行線の同位角・錯角の性質や三角形の外角の性質などを根拠として説明していました。みんなの前で説明するのはちょっとドキドキしますが、説明が終わった後の誇らしげな表情が頼もしいですね。
子どもたちに身に付けてほしい数学的『見方・考え方』とは、「事象を数量や図形及びそれらの関係などに着目して捉え,論理的・統合的・発展的に考えること」です。この論理的というのは、「 帰納的に考えようとする」「順序よく考えようとする」「根拠を明らかにする」こと。統合的というのは、「関連づける」「既習の事柄と結びつける」ということ。発展的というのは、「 適用範囲を広げる」「条件を変える」「新たな視点から捉え直す」ということです。
今回の授業では、論理的に考えることがしっかりとできていました。友だちの意見をよく聴き、汲み取ろうとする姿勢も立派でした。
アップされた考え方を分類したり、ここから「星形七角形・九角形では?」と発展させたりして考えようとする態度も、これから養っていきたいと思います。
道徳「償い」より
ローテーション道徳が始まりました。本来であれば担任が担う道徳ですが、教員の強みを生かし、探究した資料での授業を各学年で順次実施しています。
ゆく年くる年でお馴染みのさだまさしさんの名曲『償い』を鑑賞し、その歌詞から、子どもたちは思い思いに付箋に書き込み、最愛の人を奪われた悲しみ・怒りといった気持ちに共感するところからスタートしました。
「奥さんから来た手紙の『ありがとう』はどんな想い?」との問いかけに、
「許したわけではないけど、あなたができることはもう十分してくれました」
「あなたが夫を思ってくれ続けていることは伝わりました。」
「あなたが一生懸命はたらいている姿が想像できます。」
「もう十分です。あなたの人生を生きてください。」
とプリントに書き込んでいました。
授業の振り返りには
「失敗をしてしまった時には誠意をもって謝罪することが大切だと思いました。」
「気持ちを込めることが大切なのだと思いました。」
「一生懸命、誠意をもった行動をすれば、相手の気持ちも変わっていくかもしれないから・・・」
と『誠意』というキーワードが多くみられました。そして人間の『寛容さ』にも気づいていました。
さだまさしさんが、「この事実を知って感動したから曲にした」とおっしゃったように、資料自体に力があります。自分が体験したことのない他の人の人生から、子どもたちがしっかりと学び、友だちの感じ方・考え方を踏まえて、自分の道徳観につなげいってほしい、そんな想いが授業者から伝わってきました。
夢と志のある人づくり講演会
11月10日(金)、壬生町教育委員会主催の「夢と志のある人づくり講演会」を実施しました。
壬生町は、江戸時代、壬生藩として徳川将軍の日光礼参の際の宿城として壬生城を中心に栄えました。壬生藩校「学習館」は全国的に見ても早期に創設され、その弟子たちは蘭学とともに論語を学んでいました。現在でも小中学校において論語教育を取り入れ、人としての生き方や心の持ちようを学んでいます。これらの教育の一環として、中学校では郷土や日本、世界の偉人の生き方から夢や志を持って、たくましく生きることの大切さを学ぶ機会として「夢と志のある人づくり講演会」を開催しています。
今年度は「日光東照宮祭神 徳川家康の、夢と志と人づくり・町づくり・国づくり」という題目で、東洋大学の先生による講演会を実施しました。
昨日の学習委員会放送のゲストであった3年生は、「社会の学習が大好きで、特に歴史は奥が深くて楽しい!」と話していました。その生徒に講演会後に話を聞くと、「徳川家康は天ぷらの食べ過ぎで亡くなったという説があるのは知っていましたが、胃がんを患っていたことを始めて知り、色々な説があるのだなと関心が高まりました。僕も家康みたいに時代を切り拓く力を付けたいので、本をたくさん読んで勉強したいです。」と感想を話してくれました。改めて学ぶことの楽しさを感じた講演会だったようです。
壬生町教育委員会の先生方、そして講師を務めてくださった東洋大学の先生、ありがとうございました。