学校生活の様子・ブログ
暑さ寒さも彼岸まで!
連日暖かな日が続いています。
近年、「入学式の頃が校庭の桜の見頃」という図式が崩れ、3月中に満開を迎えています。本校の北門付近の桜は、もうじき満開となります。正門付近の桜は、今か今かと開花を待っています。
中庭のスイセンや芝桜も色鮮やかに咲き誇っています。
「本気で言いたいことがある」(さだまさし著 新潮新書)の中に、桜について以下のように書かれている一節があります。
昔、うまいと思ったCMコピーに「桜の開花がニュースになる国って、すてきじゃないですか」というのがあった。この発想とか感受性はすばらしい。でもこれは、本来日本人の持っている感性ですよね。
「桜前線」という言葉は、最近生まれた言葉でしょうが、これはぼくの好きな言葉の1つ。この「桜前線」、日本列島を南から北に移動していくわけでですが、その速度は1日ほぼ20㎞。20㎞ってどれくらいなんだろうって計算してみたら、1秒間に約23㎝ちょっと。23㎝ちょっとというのは大体女の人の靴の大きさ。つまり、春というのは、女の人の足の大きさほどの速さで、しゃなりしゃなりと近づいてくるもの。どうしてこういうものを学校で教えないのかな。もっとも、教えるにしてもちゃんと段取りを踏まないと意味がない。
いきなり「桜前線は女の人の足の大きさなんだよ」じゃなくて、「桜前線は1日約20㎞進みます。」というところからはじめて、ちゃんと計算させる。1秒間にどのくらい進むのかな、と。すると、23㎝ちょっとくらいとわかるわけ。そこでまた、「身の回りにある、23㎝のものをさがしてみよう。」となって、誰かが「お母さんの足の大きさ」と言うのを待つ。
子どもたちはきっと忘れないし、うんと楽しく勉強できると思う。
桜前線に興味を持ったら、次は「桜満開の法則」を教える。桜が満開になるのは、開花日から毎日の最高気温を足していって、それが125℃になるころ。そこで、毎日の最高気温はどれくらいか調べ、これからの気温を予測して、いつ満開になるかを計算して予測する。それだけでも十分楽しい。
そして、満開というのは八分咲きのこと、とも教える。九分を超えると散り始める花も出てくるから、一番きれいなのは八分くらいなんだよ、と。
桜1つとっても、まだまだ興味は尽きない。満開の後に、花は散る。それに関しても、咲く桜と同じくらいのドラマがある。
桜の花びらが落下する速度というのは、無風状態でおよそ秒速50㎝。ボタン雪が無風状態ではらりと落ちてくるのとほぼ同じ速度。そこで、「もしや」と思ってぼくも調べてみた。
蛍はどうなんだろう?蛍は、追い風だと1秒間に1mくらい進む。向かい風だと30㎝くらいになる。ということは、平均を取れば50㎝から70㎝くらいになる。これって偶然にしてはできすぎ。桜の花びら、ボタン雪、蛍、これらの速度は大まかに言うならば、ほぼ同じ。この秒速50㎝というのは、日本人に刻まれた、心地よいリズムなんじゃないでしょうか。
こんな風に四季を眺めてみれば、1年なんて「何ごともなく」過ぎる、などということはない。
お花見の席だって、立派な学習の場になる。川の水辺に花弁が浮いて、絨毯みたいになって流れていく様子を「花筏(いかだ)」という言い方がある。お花見の席で、たまたま後ろに居たお年寄りからそんな言葉を教わるような場面があったら、それこそ確かな教育じゃないですか。
「花筏って言うんですか。そんな言葉ぜんぜん知らなかった。」なんて言いながら若い衆とお年寄りが「まま、一献」などと一緒に酒を飲んでいる。なんていい光景なんだろうと思う。
こういう社会の「学び舎」が人生の奥行きを広げると思う。
明後日、3月24日(金)は修了式です。それぞれの学年で、大きな成長を果たしました。春は、その成果をじっくりと確認できる季節でもあります。