学校生活の様子・ブログ

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数学:探究的学習「三平方の定理」

 3年生は「三平方の定理」の単元で、探究的な学習にチャレンジしてみました。5時間の授業の最終形は『プレゼントの箱にかけたリボンの最短の長さを求めよう』というもの。さてさて、教科書を解読して必要な知識・技能を身に付け、この難問を解くことができるかな?

 5時間分の計画を立ててスタートです。

 ①三平方の定理を理解する ②定理を証明する ③辺の長さ・対角線を求める ④立体の紐かけを解決できる ⑤最終パフォーマンス課題をスライドにまとめる 

 子どもたちは、箱を用意してリボンを実際にかけてみたり模型を作って展開図で確認したり、友だちと協力しながら、試行錯誤していました。一方では、「自分で何とかして解いてやる!」と頑張っている姿もありました。

 5時間の授業の振り返りには、

 空間の中で紐をかけると、直線のときにが一番最短になることがわかりました。また、展開図にすることで直線が分かりやすく引けて、そこから直角三角形になっていることがわかり三平方の定理が使え、全て繋がっていておもしろいなと思いました。

 リボンの長さを求めることはできなかったけど、三平方の定理の証明はスライドにまとめて完成させることが出来ました。すべての過程を自分のペースで、自分のやり方で進めていけるのでとてもやりやすく、よかった。

 展開した形はわかったけれど、リボンの長さを求めることはできませんでした。どこまでリボンがかかっているのか考えるのが難しかったです。でも、自分の決めたことを計画通りに進められたと思います。

 リボンの長さを求めることが出来ました自分のペースでいろいろと考える余裕ができて、いつもの授業より考えながらやることが出来ました。

  と書かれており、数学的な見方・考え方を働かせた子どもたちの知的好奇心は、もっともっと広がっていきそうです。

 

研究授業(英語・数学)☆彡

  12月13日(水)栃木県教育委員会:学力向上コーディネーター・指導主事の先生方をお迎えして、数学と英語の研究授業が行われました。数学では「壬生町を盛り上げるための施設を建てたい。どこに建てたらいいかな?」の問われ、子どもたちは「あったらいいな」と思う施設を建てるための条件を確認して、トレースしていました。

 友達と意見を出し合いながら「駅から近い方がいいよね」「商業施設から近い方が人がたくさん来るのでは?」「小学生に来てほしいから、小学校の近くがいいかな?」と熱い議論の末、必要な情報をトレースすることで、地図が単純化され、等しい距離を考えやすくなりました。2つの地点から等しい距離・2つの交通網から等しい距離を作図で求めていました。根拠が明らかになるようにスライドにまとめ、共有しました。

 「日常の世界」の課題を「数学の世界」の課題に置き換えて考えられること。そして、それを「日常の世界」に戻すというサイクルを意識した授業でした。

 

 英語では、「短い動画にナレーションを付けて伝えよう」ということで、動画の会話を聞き取ることからスタート。工夫された動画から、とにかくアウトプットする量を増やしたい!!という想いが伝わってきます。その想いを受け、子どもたちも必死に聞き取って、ジャムボードに入力・・・。

 他のグループのまとめ方を参考にしたり、現在進行形の使い方を確認したり、協働的な学びが進められていました。タブレットで翻訳機能を使ってみたものの、相手に伝わらない・・・相手に伝わるような文にするためには?と更に思考を深めていました。

 赤ちゃんが家族の会話から日本語を覚えるように、子どもたちがインプットしていく中で、アウトプットの経験が様々な表現をつなげていくことを期待しています。

 

 数学も英語も「探究的な学び」がされていました。大画面TVに加え、プロジェクターが整備されたことで、子どもたちの考えを投影して発表しやすくなりました。パフォーマンス課題に取り組むことで、子どもたちの探究心はもっともっと向上していきますね。

 

 研究会では、授業づくりで悩んでいたことを指導主事の先生に相談させていただきました。有意義な時間を共有ことができました。お忙しい中、ご来校いただき、支えていただいているような温かな言葉かけに心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

英語科の探究活動

 1年生英語科の授業では「読むこと」の資質・能力の育成のために、教科書の要約を行っていました。今までの授業は、先生が一文一文を日本語に訳すことがなされていましたが、今回の挑戦は『子どもたちが教科書に書かれている内容を要約するために、巻末の単語一覧やネットを使って調べ、新出単語や文法などを確認しながら何とかして読み取っていく』というもの。スライドを使って、編集途中の友達の要約も見られることで、自分自身の読み取りとの違いも比較していました。

 担当の先生からは、「今まで以上に子どもたちが自分の進度に合わせて何度も聞いたり、読んだりする姿が見られました。読みのレベルが上がってくれば、要約だけでなく扱う本文の文化的背景に切り込んだ問いが生まれるのでは?」と手ごたえを感じていました。

 一方、3年生は「書くこと」の領域に挑戦していました。前単元で、本文の内容把握から文化的背景を個人で課題設定して進めた経験を踏まえて、今単元では、本文要約後に「壬生町にあったらいいなと思うこと」を5文程度の英文でまとめ、最終的には発表までを目標にしています。

 担当の先生からは、「子どもたちが主体的に集中して取り組んでいました。個のレベルに合わせてアドバイスができるので、互いに声をかけやすく、リラックスして取り組めています。」と確実に子どもたちと学び方を模索できていることを感じていました。

 1年生のうちからこれを積み上げていき、3年生になるころには、「英文を英文で要約し、それに対する自分自身の意見を英文で書くことができる」「英文で問いを作り、それに英文で答えることができる」そんな子どもたちに成長することを期待しています。

 『自分が学ぶときのように子どもたちにやらせてみる。』大人になっても学び続けることのできる力を付けたい。学校課題である~持続可能な~にせまる挑戦です。子どもたちの姿が、先生たちにとって一番の師です。目の前の子どもたちの変容に、大きな一歩を踏み出したと感じています。

3年生 租税教室

 12月6日(水)本校を卒業し税理士・公認会計士として活躍されている先生をお招きして、3年生の租税教室が実施されました。国税庁の資料に基づき、「何のための税なのか?」「どんな種類の税があるのか?」そして「どのような視点で税の公平性を保っているのか?」ということを学びました。

 先生の問いにチャットを使って、次々に素早く返答する子どもたち。「税金の話」というと堅いイメージですが、返ってくる答えを拾い上げ、楽しくコメントしてくださったので、和やかな空気が流れていました。

 「町のみんなで橋を架けるのにいくらずつ出し合う?」提示された条件が変わるたびに、子どもたちは「どうする?」「このくらい?」「ちょっと待って計算する!」って楽しそうに話し合っていました。

租税教室後の子どもたちの感想には、

 動画や話を聞いて税金の集め方や種類がたくさんあることが分かりました。また、税金は国民が安全に暮らすためにあるものだということがわかりました。

 税金の重要性については知っていたが、それらがどうやって集められているのか、どう使われているのかを改めて知ることで重要性を再確認できた。累進課税制度は平等より公平を意識した結果の制度なのかなぁって思った。

 税金は「平等」で決めるのではなく、「公平」決めることが大切だと分かった。グループワークでほかの人の意見も共有しながら、学べたのでいろいろな目線で考えることができたいい時間になりました。

 「平等」と「公平」は似て非なるもので、税金はそれぞれの環境や状況により、公平に重点を置き、我々国民に寄り添った政治を目指していることが分かった。

などが書かれており、楽しい時間の中でしっかりとした学びがあったことが伝わってきました。変化の激しい世の中で先の見通しが難しいとされている今、子どもたちが本校ビジョンの「夢や希望がもてる教育活動を通して」『夢や希望がもてる未来を築く大切な価値観の土台』を形成し、「幸せな時間づくりを応援します」『みんなと幸せな時間を共有しようとする』態度が育まれていくのを感じた時間でした。

 母校の子どもたちのために何かできることはないか?と真剣に悩まれ、学校に寄り添った授業を提供してくださった税理士の先生に、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

 子どもたちが、先生のように「少しでも母校に・地域に貢献したい」と思える大人に成長してくれることを願って・・・。

教科書を読み取る力

 東ロボくんの開発者:新井紀子氏の著書に「AIと教科書が読めない子どもたち」「AIに負けない子どもを育てる」があります。その中で、AIが苦手とする読解力を身に付けるにはどうしたらよいのか基礎的・汎用的読解力を身に付ける重要性を述べています。

 教科書の読み取り方を、各教科で挑戦しています。数学でも、説明されている文章の重要語句が図のどこを指しているのか文章で表現されている内容を表している式はどれなのかを線でつなぎ整理することに挑戦しました。

 初めてなので、先生と一緒にやってみる?友達と確認しながらやってみる?一人でやってみたい?って、自分で決めてスタート。不安そうにしていた子どもたちですが、手順が分かるとそれぞれのペースで読み進め、ノートにまとめ始めました。図の中の同じ大きさの角に色を付けて理解しながら、定理の証明を書き始めます。もちろん、根拠となるのは今まで学習してきた図形の性質。「先生これであってますか?」「あれ?これおかしいですよね」「先生ヒントください。」と確認する声がたくさん上がってきました。自分で目標を決めて、3種類の証明すべてに挑戦する粘り強い姿も見られました。「3つ目は教科書にヒントの図が書いてあるよ~」「ん~~?補助線引く・・・」この後、3つの証明はそれぞれクラスルームにアップされ、各自で終わり次第、確認します。

 急かされずに進められることが安心感につながったようです。「いつもより時間が短く感じた」と達成感に満ちた表情がそこにありました。

 「三角形の外角の性質が証明でよく使えることが分かった。」「教科書を見ながら、友達と協力して定理をまとめることができました。まだ証明が二つ残っているので頑張りたいです。」「円周角の定理を理解できたが、証明するのが難しいのでもっと学びたいと思った」と、振り返りに入力していました。

 「高校生になる前に数学の教科書の読み取り方ができるようにしよう」との声掛けに、前向きに取り組みはじめた子どもたちの可能性に期待が高まります。

数学「星形五角形の内角の和は?」

 2年生数学では、学習した内容を活用して課題に挑戦する授業が展開されていました。「星形五角形の内角の和はいくつになると思う?」という問いかけに、「180°」「360°」「540°」と予想していました。とりあえず、分度器で図って確認する子、紙を切ってくっつける子、図の中にたくさん線を引いてみる子、様々な視点で思考が進んでいました。「真ん中が正五角形ではなくて、どんな星形でもだよ~」と言われて、困ってしまう子もいました。すると・・・チャットに自分のプリントをアップして「助けて~」って。そんな使い方もあるのかと、感心しました。

 考えがまとまったらチャットにアップして、みんなで共有します。友だちの画像を見て「なるほど~」「賢すぎ!」とつぶやきながら、自分のプリントに理解したことを書き留めていました。

 平行線の同位角・錯角の性質や三角形の外角の性質などを根拠として説明していました。みんなの前で説明するのはちょっとドキドキしますが、説明が終わった後の誇らしげな表情が頼もしいですね。

 子どもたちに身に付けてほしい数学的『見方・考え方』とは、「事象を数量や図形及びそれらの関係などに着目して捉え,論理的統合的発展的に考えること」です。この論理的というのは、「 帰納的に考えようとする」「順序よく考えようとする」「根拠を明らかにする」こと。統合的というのは、「関連づける」「既習の事柄と結びつける」ということ。発展的というのは、「 適用範囲を広げる」「条件を変える」「新たな視点から捉え直す」ということです。

 今回の授業では、論理的に考えることがしっかりとできていました。友だちの意見をよく聴き、汲み取ろうとする姿勢も立派でした。

 アップされた考え方を分類したり、ここから「星形七角形・九角形では?」と発展させたりして考えようとする態度も、これから養っていきたいと思います。

研修から実践へ(美術)

 今週、美術科の授業研究が行われました。本校の規模では、実技教科の教員は各教科1名ずつしか配属されません。複数の専門教科教員がいるということは多角的な視点で授業を検討できるので、幸せなことだとあらためて感じました。

 作品を通して、ピカソが何を伝えたかったのか?横8mにもおよぶ作品「ゲルニカ」を大きなスクリーンに映し出し、圧倒されるサイズ感で子どもたちの目の前に現しました。子どもたちは口々に「変!」「顔しかない」「形がおかしい」「怖い」と初見の感想をチャットで言い合います。

 作品の中に何が描かれているのか?「女性?」「赤ちゃん?」「太陽?」「馬?」「牛?」それらは何を表現しているのか?なぜ涙が描かれていないのか?との問いかけに、本題に迫っていきます。 

 子どもたちは自分の言葉で、感じたこと・考えたことを表現していました。文学作品でも芸術作品でも、作者には伝えたい想いがあります。そこに寄り添えるようになるからこそ、さらに自分自身の感性が磨かれ、人生が豊かになるのでしょう。

 子どもたちの手元でもよく見えるように、作品をタブレットで共有するようにしました。紙ではできないピンチアウト(画面の拡大)をすることで、詳細部分にまで注目することが可能になりました。

 ピカソと言えば、キュビズム的表現が有名ですが、写実的に描くスキルがあるのにあえてキュビズムで描いているのはなぜなのでしょうか?美術館へ足を運んで鑑賞するときに、そこまで考えたことがありますか?鑑賞の視点を与えてくれる授業に、ARTの面白さを感じました。

 子どもたちの感じたこと・考えたことを共有できるようにチャットを使ってみました。友達の意見を見ながら「うんうん」とうなずき、自分の意見を書き加えること数分・・・。「芸術作品」は鑑賞するだけでなく、観る人に考えさせることもできる。と、その面白さに気付く記述が見られました。そんな視点をもって、美術館に足を運びたいですね。

個別最適な学び・協働的な学び(社会)

 10月5日(木)県の学力向上コーディネーターと指導主事の先生をお迎えして、社会科の研究授業が行われました。「ある写真が紛れてしまった…どこの写真なのか捜索してほしい」と始まった『世界各地の人々の生活と環境』の単元。子どもたちは、各地域の特徴と暮らしの工夫を順を追って学んできました。今回は、寒い地域の人々の暮らしに焦点を当てた学習です。

 前時の内容をテキストマイニングを用いて、重要語句を可視化することを試みていました。

 子どもたちは寒さで凍るタオルやシャボン玉の映像に「お~」と素直な反応で興味津々でした。「水道管が地上にあるんだって!なんでだろう?」という問いかけに、「何で凍らないの?」「流れてるから?」「じゃあずっと水を出しっぱなしにしてるの?」「ぐるぐる回せばいいんじゃない?」・・・ほかのグループと交流して「え?お湯が流れてるの?」「永久凍土が溶けたら家が傾いちゃうじゃん」さらに教科書や資料集を読み込んでいました。

 子どもたちは、気温や地形・地質に着目した社会的な見方を働かせ、課題解決のために頭をフル回転していました。

 ホップ課題→ステップ課題→ジャンプ課題と自分のペースで進めるとともに、ワークシートに手書きもOK・スライドに入力もOKと子どもたちが自分で選んで取り組めるような工夫がなされていました。授業終末には、振り返りをスプレットシートに入力することで共有し、次時に生かしていきます。

 研究会では、子どもたち同士の話し合いが活発に行われていること、生徒と教員の良好な関係性についてもお褒めいただきました。

 ご指導いただいたことを胸に、今後もベクトルの方向をそろえて学校の生命線である授業をよりよくするために、子どもたちの幸せのために、尽力していきます。

 温かい雰囲気で学習を進められる1年2組の皆さん、頑張りましたね。ステキな授業をありがとうございました。

 お忙しい中、足を運びいただき、ご指導いただきました栃木県教育委員会の先生方に感謝申し上げます。ありがとうございました。

先生たちも学んでいます

 壬生町では令和2年度から全児童生徒にタブレットが配布され、ICTの効果的な活用について研修を重ねてきました。これは「2040教育の未来」礒津政明著「2040年未来予想」成毛眞著で書かれている時代を生きていく子どもたちに身に付けさせたい力があるから。子どもたちの未来が幸せなものであってほしいと思うからです。

 本年度、本校と壬生東小が文部科学省のリーディングDX事業に関して指定校となっています。子どもたちが学び方の本質を身に付けられるよう、教育活動全体を通してICTを有効に活用しながら、特に「主体的に学びに向かう力」・「情報活用能力」を育成していきます。先生方も子どもたちと同じように研修を通して、教職員としての資質向上を目指しています。

一昨年度から欠席連絡FORMの実施など、すでにDXは始まっていました。

本年度、デジタル教科書・デジタルドリル等が試験的に導入され、より個別最適な学び・協働的な学びを深化させていきたいと考えています。

子どもたちは順応性が高く、様々なアイテムを使いこなしていきます。その分、授業の中で思考する時間を大切にすることができるようになっています。教科での学びを結び付けながら、自分自身が興味関心の高いことへの探究的な学びにつなげていってほしいと願っています。

初めて使うアイテムも、この通り自由に使いこなして表現できる子どもたちの可能性のの高さに驚愕です!!これからが本当に楽しみになりました!!