リーディングDX
リーディングDX事業拠点校としての役割
本校は、リーディングDX事業の拠点校として研究を進めております。9月に入ってからすでに、本日で4回ほど研究会や授業公開をしました。先週は、中京大学の教授をはじめ、栃木県教育委員会、千葉県松戸市教育委員会、壬生町教育委員会の指導主事の先生方、宇都宮東高校付属中学校の先生方、壬生町内小中学校の先生方に来校していただき、授業研究会を開催しました。本日は、先週に引き続き野木町の教職員に来校していただき、ICTを活用した数学の授業を参観していただきました。主体的・対話的で深い学びのある授業実現と学力向上のために、我々教職員が目指しているものを他市町の多くの先生方と協働しながら研究を進めていきたいものである。
リーディングDXスクール視察
2月7日(水)福島県三春町から指導主事・小中学校教諭あわせて15名の先生方が、本校のリーディングDXの取り組みを視察にいらっしゃいました。1時間だけではありましたが、本校の授業風景を参観していただき「ルーブリックを子どもたちに示す時の子どもたちのリアクションはいかがでしたか?」「学習グループはどのように作っていますか?」「ここまでにどのようなステップを踏んで単元の目標にアプローチしているのですか?」などご質問いただきました。
各教室で子どもたちに「今日は何をしているの?」と聞くと、社会では「写真を見てどの地方のものか予想を立てました。今はGooglelensで検証しています。僕の予想の書き方は評価Sですよ!」と誇らしげに話してくれました。
理科では「日本の天気についてまとめています。梅雨の時期は気団同士がぶつかり合って停滞前線ができるので雨ですが、夏になると太平洋高気圧が張り出すので、晴れが続きます。」と調べたことを自信をもって教えてくれました。Webから気団の画像を探している子もいました。
国語では、「教科書の『鰹節』について学年主任の先生が読んだことがないと思うので、説明するんです。要約ですね。今日はジャムにグループで協力して作ります。新聞をよく読んでいる先生なので、新聞のレイアウトで書きたいと思います。」と教えてくれました。相手を意識した表現を考えているなんて、なんて素敵なんでしょう!!
英語では「本文を読み取って、7文以上で要約するんですけど、B/A/S評価があるので・・・。とりあえず頑張ってみます。」と教えてくれました。「先生、前の文をさす指示語はTheyであってますか?ロックバンドなんですけど。」との質問に「いいよ。複数だもんね。」と答えるとガッツポーズを見せてくれました。
道徳では、チャットを使って自分の想いをつぶやいていました。友達のつぶやきを読みながら、自分の考えを再構成してノートにまとめていました。
芥川龍之介「トロッコ」の作品から派生して、「羅生門」「河童」などの作品について調べ、文学の特徴について学んでいました。芥川賞と直木賞の違いは?の問いにスラスラと答える子どもたちにびっくりしました。
デジタル教科書の機能を存分に活用していたのは1年生。英語の本文をイヤホンで何度も聞き直す子、本文の過去形にマーカーを引いて確認する子・・・それぞれの学びのスピードで要約を進めていました。
3年生は卒業を控え、答辞を書いてみようということで、ジャムボードに想い出の行事と想いを付箋で書き出し、構成を考えながら文章にしていました。タブレットの画面に2つのウィンドウを開いて活用することも、使いながら自然と習得していました。
「どの授業も学びに向かっていますね。先生方も楽しそう。」とお褒めいただきました。
【本校の教育活動についての説明】
三春町の先生から「数学でのわからない問題の意思表示や生徒会活動でのプレゼンといった、参考になるアイデアをいただきました。失敗しても大丈夫という校風が、色々なことに挑戦できる土台を作っているのだなと感じました。適材適所でのICT活用の見極めは今後の課題になると思います。今日学んだことを今後の授業や教育活動にいかしていきたいと思います。本日は本当にありがとうございました。」と感想をいただきました。
どの教室に入っていっても、子どもたちは自分の学びに夢中で、突然の質問にも今何のために何をしているのかを自分の言葉で堂々と説明できることが、素敵だなと感じました。子どもたちが確実に成長していることを実感した幸せな時間でした。
三春町の先生方には遠方からお越しいただき、子どもたちの姿・教室の雰囲気を賞賛くださいましたこと、心から感謝いたします。ありがとうございました。今後とも素敵な教育活動がなされますようお祈り申しげます。
数学:探求的学習「三平方の定理」
3年生は「三平方の定理」の単元で、探究的な学習にチャレンジしてみました。5時間の授業の最終形は『プレゼントの箱にかけたリボンの最短の長さを求めよう』というもの。さてさて、教科書を解読して必要な知識・技能を身に付け、この難問を解くことができるかな?
5時間分の計画を立ててスタートです。
①三平方の定理を理解する ②定理を証明する ③辺の長さ・対角線を求める ④立体の紐かけを解決できる ⑤最終パフォーマンス課題をスライドにまとめる
子どもたちは、箱を用意してリボンを実際にかけてみたり、模型を作って展開図で確認したり、友だちと協力しながら、試行錯誤していました。一方では、「自分で何とかして解いてやる!」と頑張っている姿もありました。
5時間の授業の振り返りには、
空間の中で紐をかけると、直線のときにが一番最短になることがわかりました。また、展開図にすることで直線が分かりやすく引けて、そこから直角三角形になっていることがわかり三平方の定理が使え、全て繋がっていておもしろいなと思いました。
リボンの長さを求めることはできなかったけど、三平方の定理の証明はスライドにまとめて完成させることが出来ました。すべての過程を自分のペースで、自分のやり方で進めていけるのでとてもやりやすく、よかった。
展開した形はわかったけれど、リボンの長さを求めることはできませんでした。どこまでリボンがかかっているのか考えるのが難しかったです。でも、自分の決めたことを計画通りに進められたと思います。
リボンの長さを求めることが出来ました自分のペースでいろいろと考える余裕ができて、いつもの授業より考えながらやることが出来ました。
と書かれており、数学的な見方・考え方を働かせた子どもたちの知的好奇心は、もっともっと広がっていきそうです。
研修から実践へ(技術)
10月19日(木)技術科「エネルギー変換の技術の原理・法則と仕組み」の単元での研究授業が行われました。隔週2時間しかない限られた時間内で、子どもたちが自らの豊かな発想を大切にしながら、伸び伸びと表現できるようにするには?と授業デザインを考えていました。
子どもたちは友達と分担しながら、インターネットや教科書などから情報を収集し、それぞれの発電の特徴を捉えて、スプレットシートを埋めていました。どんなメリットがあるのか?どんなデメリットがあるのか?まで箇条書きでどんどん入力していました。
スプレットシートのマトリックスをもとに、ジャムボードで発電方法の分類を進めます。エネルギー源が自然界であるもの、タービンを回すもの、地球に害がないか?など、それぞれの視点で分類していました。
「なぜ水力発電の割合を多くしたの?」と聞くと「だって、水は蛇口をひねったら出てくるし、身の回りにあって、いつも動いているから。」と答えてくれました。シャワーを浴びながら発電するという発想をした子もいれば、川にいくつも水車をつけるという発想をした子もいました。きっとこのような柔軟な発想から、次世代の新たな発電方法が生まれてくるのでしょう。「緑豊かな水の国」日本だからこその発電方法が生み出されたら面白いですね。
2時間頭フル回転の最後の振り返りには、「ミックスエネルギーの割合を自分で考えることで、各発電の特徴に関心をより深めることができました。」と、ねらいの前段部分「知識」についても理解されていることがうかがえました。
子どもたちはタブレットを覗きながらも、自分の提案をしたり、友達に頼んだり、質問したり、グループ活動が活発に行われていました。本校の学校経営の基本方針には「生徒一人一人の存在を大切にし、それぞれに違いや良さがあることを前提として教育活動を推進する」とあります。授業の中でも、子どもたちそれぞれが、一人一人の考えを大切に進められている姿がそこにはありました。
研修から実践へ(数学)
学習指導要領の総則には「『言語能力』『情報活用能力』『問題発見・解決能力』等の学習の基盤となる資質・能力や、現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力を教科等横断的な視点に基づき育成されるよう改善している。」と記されています。本校では情報活用能力の育成を念頭に、①課題設定②情報収集③整理・分析④まとめ・表現を4つの横串として授業改善を試みています。
3年生の関数の単元末では、「いろいろな関数」として、不連続な関数を扱います。携帯の料金プランをもとに、①課題設定(店員さんとしてお客様におすすめを提示する)②情報収集(表やグラフから必要な情報を読み取る)③整理・分析(比較検討する)④まとめ・表現(スライドに協働編集して提案する)時間を設定し、実施しました。
手書きで折れ線グラフにして比較しやすくしたり、1年生の時に学習した表計算ソフトを活用して棒グラフにしたり、表現の方法はそれぞれに工夫が見られました。
「使用する人数や使う容量によって変わる料金を誰が使うのかという目的をもとに考えることが出来ました。また、他の班を見て、グラフを使用することで料金が同じだったことに気づいたり、普通料金は高くてもプランを追加することで安くなったりと、見方を変えるだけで答えは一つじゃないんだなと思いました。」
「今日自分の班のスライドやほかの班のプレゼンを聞いて、結論は同じことだけど、結論を言うまでの情報や説明の仕方がそれぞれの班で違い、聞いていて納得しやすい内容がたくさんありました。どのように説明をしたらみんなに納得してもらえるのか今日の授業から学んだことを今後に取り入れていきたいです。」
と、難しい課題でしたが、前向きに捉える振り返りが見られました。
研修から実践へ(英語・社会)
英語科では町内小中学校の教職員でチャットを活用しています。タブレットの有効活用事例を簡単に共有することで、町全体の英語力の向上を図っています。本校からは、デジタル教科書の活用とともに、紙の教科書にラインマーカーしながら自分のペースで本文を読み取り、更に深く調べたいことを辞書やインターネットを用いて、自ら新しい知識を習得しています。子どもたちは”person”や”people”のニュアンスの違いなども気になるようです。
社会科では、1学期・夏休みの研修から『教科書の読み取り⇒自らの問いの表出⇒調べ学習⇒まとめ⇒振り返り』という学習の一連の流れを追って進めることに挑戦し始めました。子どもたちは、スプレットシートに個人がまとめたレポートのURLを貼り付け、互いに見られるようになっています。友達のレポートをのぞかせてもらったら、コメントを残すようにしています。個別最適な学びと協働的な学びが融合する環境を整えています。
英語も社会も、自分自身で教科書を読み解く読解力を養っています。同時に、これからのVUCA時代に必要とされる「自ら課題を設定する」という「問いを見出す」力の育成にもつながっています。子どもたちは、互いのコメントを読みながら嬉しそうにほほ笑んでいました。自分が興味をもって調べた内容について、友達が認めてくれたり共感してくれたりする経験は、さらなる学習意欲を刺激してくれます。「見えない学力を育て、見える学力を伸ばす」2学期の学習テーマに添って、一人も取り残さない確かな学力の育成を目指します。
リーディングDX(1学期を振り返って)
職員研修①
4月に先生方で、「令和の学校教育の方向性」、「リーディングDXに求められているもの」を確認しました。
職員研修②
これから子どもたちに求められる力「課題設定」「情報収集」「整理・分析」「まとめ・表現」という4つの柱を横串として各教科において身に付けられる機会・活動を計画 していくこと、意図的に設定していくこと共通しました。
カリキュラムマネジメントシートの作成
1学期の授業参観は・・・
第1回目(4月):3年生の保護者の方にQRコードをスマホで読み取っていただき、アンケートに答えていただいたものがすぐに反映されることを、大画面TVで確認いただきました。
第2回目(6月):全学級で「情報モラル」についてSNSを利用する落とし穴(感覚のズレ)体験をしていただきました。子どもたちと一緒にジャムボードをのぞき、互いの考え方がタイムリーに可視化されて分かる体験もしていただきました。
小学生の頃から子どもたちがタブレットを使って授業を進めている姿を見てきた保護者の方々ですが、参観後の感想には「子どもとの感覚のズレ、大人同士でも感覚のズレがあることに気づき、大人である私たちも気を付けて利用していかなくてはと感じました。」と保護者の方々にも学びを共有していただけて価値ある時間となりました。
子どもたちと一緒に意見交換していただくことで、子どもたちが広い視点をもちながら成長していってほしいと考えています。また、学校のグランドデザインでも示している通り「保護者と一体になった教育活動を推進し、地域とともにある学校」を目指していきます。
各教科でのDX
①社会科・数学科・理科・外国語科でのデジタル教科書の活用
②協働編集
③振り返り(スタディーログ)・リンクの貼り付け・ファイル共有
④探究活動
子どもたちは一つずつステップアップしようと頑張っています。新しい操作を覚えながら、活動の意味や価値をしっかりと把握していました。レポートの感想には、「身の回りには意外とたくさん数学が隠れていることに気づいた。」と教科と日常が結びついていることを実感した言葉が記されていました。